人気ブログランキング | 話題のタグを見る

弦楽器工房ペカット PECCATTE 続き

そもそも弦楽器の弓(BOWS)は、楽器本体ほど
一般に話題にならない。
だが演奏者にとっては大変重要なファクターを占めているのだ。
だから、どの弓を使っているかと言うことは、
キチンと記されている場合もある。

昨日ご紹介した「弦楽工房ペカット」が
なぜこの様な名称にしたのか大変興味が湧いた。

そこで「ペカット」名称の由来について推測を交えて調べてみた。

ペカットとは「ドミニク・ペカット」のことでは無かろうか。

Dominique PECCATTE  1810-1874
フランスの19世紀を代表する弓製作者。
弓製作の巨匠「フランソワ・トゥールテ」と並び称される人。
弓の個性は明確に区別され、際だつ特徴として、
「フランソワ・トゥールテ」の作品
 精密に計算され尽くした作品
「ドミニク・ぺカット」の作品
 即、直感的に腕の限りを尽くした作品

このように両者の違いが表現されているようだ。

お値段もヴァイオリン本体ほどではないが、
ピンからキリまであって、結構なお値段のもある。
弦楽器奏者にとって、弓によって演奏が変わることだって有るのだ。

以前、長岡京室内ENSの森祐子音楽監督に教えていただいた。
バロック弓と現代の弓、それに中間期の弓とは形態が随分変化している。
バロック弓は、まさに武器の弓から発達したことが窺える形態で長さも短め。
だんだん現代の弓のように変化して長さも長めになってきた。
バロックの弓。18世紀中頃まで。
弦楽器工房ペカット PECCATTE 続き _e0166734_2074438.jpg
[
18世紀~19世紀の弓、過渡期の弓。
弦楽器工房ペカット PECCATTE 続き _e0166734_2081380.jpg

ロマン時代~現代の弓、バロックの弓とソリを逆にすることでジャンプしやすくなったが、
バロック時代表現のニュアンスは失われた。
弦楽器工房ペカット PECCATTE 続き _e0166734_2083452.jpg

だからモーツァルト音楽の演奏の場合、
端的に短めの弓の時代なので、一弾きのボーイング(弓使い)の時間も短く、
従って音楽のテンポも早めだったと解釈されていた。
例えばアイネ・クライネ・ナハト・ムジークの場合、
結構ゆっくりのテンポの解釈もあるが、
モーツァルト時代は快調なテンポだっただろうと言うことである。
充分うなずける話だ。
ゆっくりテンポの演奏に接すると、どうにも気になってしまうのである。
私は素人なので、これ以上の話は不可であるが、何かの参考になれば・・・。

「弦楽器工房ペカット」工房代表の眞家さんにはお会いしたこと無いが、
この名称から推して、その意気込みの程が窺える。

by tomiot3 | 2009-05-01 21:00 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)