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音が風になるとき 7月号

キャッチコピー 音楽家の活動も忘れずに
辻井伸行さんのことに触れると先月約束した。
彼は素晴らしい。だが我が国の特徴なのだが、
ややおのぼせ(過熱)気味、もっと冷静客観的視点が必要との思いを書いた。
永い目で見ることと、多くの演奏家が頑張っていることも決して忘れまいぞ。

それから18,19日に迫った とっとり楽友協会 主催の
コンサートのことに控えめに触れた。
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限られた字数で思いの丈を文章表現することの難しさを未だ克復できないでいる。
神様は才能をお充て下さらなかった。

辻井さんを正直のところ私も聴いてみたいと思う。
と言う反面、聴きたいのは彼だけでは無いので困るんだ。
残された人生でどれだけ聴けるかな。
だから辻井さんだけに拘っては居られない。
現に先般の小山実稚恵さんのすばらしさがそれを実証している。

実は梯剛之さんとのお付き合いも永いが、
このところご無沙汰、彼にしか与えられていなと思っている
神々しいまでの澄み切った音でシューベルトが聴いてみたい。

ピアノばかりでなく、楽器別、楽曲別、作曲家別、年代別などに分けていると
限りない領域なのだ。
だからもっと貪欲に聴くことを考えないと損するよ。
ああーウィーンフィルも聴きたい。これが本音。

明日は岡山で岡田龍之介さんの出演するコンサートを聴き、
次とその次は同氏によるコンサート二つを主催する。
感謝感謝!






ヒーロー誕生の先にあるもの
ヴァン・クライバーンって知ってますか。わが国でコンクールと言えば、チャイコフスキーやショパンそして入賞者を多く出しているロン・ティボーのコンクールがつとに知られている。世界中ことにヨーロッパには著名なコンクールがひしめいているが、ヴァン・クライバーンとは?アメリカ人として冷戦下のチャイ・コンのピアノ部門で優勝し話題になった。その彼を出身地の人々が功績をたたえて創設したコンクールがヴァン・クライバーン・コンクールだ。ヨーロッパでは有名コンクールがひしめいているが、わが国ではアメリカのそれは今まで余り注目されなかった。だが先頃20歳の辻井伸行さんが優勝してたちどころに報道が過熱した。来る日も来る日もツジイ。それまで売れてなかったコンサートチケットもあっという間に完売になったという。ことに公共放送の過熱ぶりが印象に残った。当然のように津津浦々からコンサート希望が殺到したようだ。確かに素晴らしい感性だ。音楽が躍動している。だから誰しも聴いてみたくなる心理は理解できる。梯剛之さんのことが重なった。彼はロン・ティボーデ二位で今回に似た状況が起きた。そして超多忙になったが家族が防波堤になってコントロールし、潰されることはなかった。若い辻井さんはレパートリー拡大と音楽との永い付き合いが待っている。それにはゆとりの時間が絶対に必要なのだ。
 梯さんの宇宙から降り注ぐひと筋の光のような音とは異なるが、辻井さんの深みのある透明感も素晴らしい。マスコミに踊らされることなく自己を確立しなればいけないのは、むしろ私たちだろう。ハンディは売り物ではない。むしろ感性が退化した私たちこそ重大なハンディを背負っている。辻井伸行さんを長い目で・・・音楽そのものを冷静に評価してあげよう。同時に沢山の音楽家の活動を忘れてはいけない。
 我に返って
 まもなく静謐な音楽が心の隅々まで染みこむ高雅で心和むコンサートが待っている。チェンバロ・コンサート二題。詳しくは既に述べたが、チェンバロの岡田龍之介氏と共に国枝俊太郎氏奏する古楽器フルートの妙なる響きも楽しみだ。ひたすら皆様のお出でを待つばかりである。静かなサプライズが皆様を覆い尽くすだろう。
              

by tomiot3 | 2009-07-16 20:44 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)