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岡山とんぼ返りの旅

若い芽のスペシャルコンサート
17日岡山市に在る山陽新聞社 さん太ホールで開催されたコンサートを聴いた。
若い芽というのは、地元岡山の若手の音楽家のこと。
その若い芽を育てる特定非営利活動法人若い芽を育てる会
が主催したコンサートだった。
出演は先日にも触れたとおりだが、再掲すると
○フェデリーコ・アゴスティーニ 
○岡田龍之介
○米田覚士 地元中学一年生のピアニスト
○カメラータ・ジオン ジオンとは慈音のことで、まさに音を慈しむ仲間達という意味。

J.S.バッハ/ピアノ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV.1056
  小柄な中学一年生の米田覚士君登場
  ピアノはスタインウエイ 彼の首振りで演奏が始まる。
  第一楽章アレグロ、タッチが少々弱く音に芯がかけるが、リズムは明確に刻んでいる。
  第二楽章アダージョ よく弾いているが、やはり年齢が出てしまう。
  第三楽章プレスト 一気呵成に弾ききった。えらい!
  弦楽合奏も彼に合わせてしまったせいか、音のフォーカスが荒い。
  長岡京室内アンサンブルの高度な合奏をつい引き合いに出してしまう。

ハイドン/ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲
  アゴスティーニ氏のヴァイオリンと岡田氏のチェンバロが見事な
  アンサンブルの妙を聴かせてくれた。
  弦楽合奏もバッハと違って、ぐっと引き締まった。だがピアニシモに
  不安定さが残るようだ。
  いつも注目するのはアレグロやプレストでなくラルゴやアダージョだ。
  第二楽章ラルゴ ヴァイオリンとチェンバロの和声が郷愁を誘う。

ヴィヴァルディ/和声と創造への試み ヴァイオリン協奏曲集「四季」
 アゴスティーニ氏のヴァイオリンの冴えがひときわ目立った。
 さすがイ・ムジチの元コンサートマスタ。
 岡田氏のチェンバロによる通奏低音が効果を発揮する。
 春夏秋冬各三楽章ずつ、進むにつれイ・ムジチの演奏を想いだしてしまう。
 
 「四季」ほど数多の生演奏と膨大な音盤に残されたものは無いだろうと思う。
 イ・ムジチの演奏スタイルや解釈は長い間、「四季」の標準とされていた。
 今まさにその様な演奏を聴いている心地だ。
 だが近年、この殻を破るような演奏が次々現れた。
 ファビオ・ビオンディによる演奏は超個性的であるし、
 長岡京のそれは、こんな解釈も有るのか!と一皮も二皮も剥いた。
 
 アゴスティーニ氏の魔術にかかったように、弦楽合奏も好演を続けた。
 冬の第二楽章ラルゴ 弦のピツィカートとチェンバロの重い通奏低音を伴奏に
 懐かしさに溢れたカンタービレが美しい。
 
 万雷の拍手に応えて、冬第二楽章ラルゴが演奏された。
 私は「四季」の中で通奏低音が心地良いこの曲が一番好きだが
 皆さんもそうらしい。
 
 山陽新聞社ビルはノッポ。隣接の低層ビルはせとうちテレビで
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 さん太ホール 上階はせとうちテレビ社屋
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 その1,2階を さん太ホールとしている。
 一見400席ぐらいかなと見たが数えた。
 292席だった。前後などゆったり取っているので意外と液数が少ない。
 反響板も常設ではなく、ポータブル的なものだ。
 天井は音響が抜けそうだし響きはどうかな?
 さほど良いとは思わないが、分解能はまあまあの感有り。  
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 そもそもこの一体が文化的な雰囲気に満ちて、文化センターになっている。
 さきごろ中電が建てたふれあいホールも充分に不十分と思っている。
 資金力の前にコンセプトで負けているんだ。
 
 おしゃれなカフェもあるし。
 急いで夕食しないと時間が無くなった。
 生憎サンドの類は全てソールドアウト。
 ケーキしかないかな・・・
 スコーンとクロワッサンが有った。
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 ダウラのスコーンとだいぶ違う。見栄えも食感はもだ。
 添えられたジャムも勝負にならない。
 妻曰く“とみさんのスコーンのがずっと良い、ダウラのはもっと良い”
 田舎町鳥取のスコーンは段違いに素晴らしいこと実感。
 わがまちの紅茶とスコーン、シフォンはどうやらどこにも負けていない。
 鳥取の人はもっと他を知って、己を知ろう。
  

by tomiot3 | 2009-07-18 00:40 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)