人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ロシアの大地 晩禱

ラフマニノフの「晩禱」。
LP2枚の大曲、ようやく一面を聴いた。
アレクサンドル・スヴェシニコフ指揮 ソヴィエト国立アカデミー・ロシア合唱団の演奏。

この録音は1965年、これに先立つこと1962年に100名近い合唱団で来日した。
人気沸騰であったが、ソプラノに不満を持つ人もいたという。
このレコードを聴いてまづ驚くのは、重厚極まりない
コントラ・バスの響きだ。
来日当時一部に不満があったというソプラノパートも輝くような透明感を聴かせてくれた。

一面は次の曲だった。
 1 来たれわれらの主に、神に
 2 わが霊(たましい)や主を讃めあげよ
 3 悪人の謀に行かざる人は福なり
 4 聖にして福たる常生なる天の父
驚くべきことにソヴィエトの想像を絶する圧制下でこれほどまでに宗教的な合唱が歌われ
海外にまで演奏旅行が許されたことだ。
まさに主、神への祈りなのである。
3では「アリルイヤ アリルイヤ」と幾度となく歌われる。

ロシアの大地そのものの様な合唱の響き、奥深く潜む信仰心、宗教心。
ロシア民衆の叫び。
あらためてロシアの凄さに思い至った。

今回のバンクーバーではメダル数が激減し凋落の大きさは驚きだった。
だがワレリー・ゲルギエフ登場のソチオリンピックの紹介に目を見張った。
正当な音楽やバレエをふんだんに散りばめた様はロシア再興を予感させた。
きっとソチまでに体勢を立て直すだろう。

晩禱に耳を傾け、その感を一層強くした。

by tomiot3 | 2010-03-03 21:00 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)