ピアニスト西山真生さんとの対話

ハンブルク在のピアニスト西山真生さんとドイツリート
について昨年12月26日お会いしたときにずいぶん話が弾んだ。
その後、ドイツに帰国?された西山さんからCDが送られてきた。
そうしたことの一連のメールのやり取りで随分教えられた。


2010.11.2 (この分は以前に載せたものの再掲)
さて、ショパンとシューマンのドイツ事情についてです。
シューマンがドイツ・ロマン派を代表する作曲家・文学者であることから、ここではシューマンの方が各地で取り上げられていると感じます。テレビでもドキュメンタリーがあったそうです(あったそうです、といのは私がテレビを観ないからです。。)。
ただ、ショパンが通常然程頻繁に演奏されない為、「今年はショパンイヤーやショパンコンクール等の影響からか、いつもより多く演奏されているな」という印象を受けておりました。

例えば、私の所属する音大では6月初めに「シューマンプロジェクト」という題で3日間朝から晩まで、複数のホールで同時に様々な彼の曲を上演するという企画がありましたが、ショパンプロジェクトはありませんでした。
そのプロジェクトでは、シューマンの歌曲、室内楽、ピアノソロ等、様々な編成(オーケストラはありませんでした)でとても興味深い催し物でした。私もその中の一つで、シューマンが2台のピアノ、ホルン、チェロ、のために作曲した曲を「8種連弾」用に違う作曲家が編曲したものを演奏しました。 演奏側もとても楽しかったです。

さらに興味深いことは、ショパンとシューマンに残念ながら隠れてしまっている、しかし大作曲家であるグスタフ・マーラーも記念すべき生誕150周年を迎えており、そのまた影になってしまっている歌曲大作曲家のフーゴー・ヴォルフも同じく生誕150周年であるということです。
ドイツでは、例えばベルリンフィルハーモニーが今年一年を通してマーラーのシンフォニーを全曲演奏をする予定を組んでいたり、夏にあったラインガウ・フェスティバルのある歌曲演奏会ではシューマンではなく、マーラーの歌曲が歌われたりもしました。
ヴォルフは残念ながらそこまで大々的に祭られていませんが、歌曲を愛している仲間の中では静かにお祝いをしています。
私も甘美なメロディーと華麗なショパンの曲を好んでおりますが、個人的に歌曲をこよなく愛しているのでシューマンの方によっています。
しかし、正直に申し上げまして、NHKBSで4時間に渡ってのドキュメンタリーがあったという事実はかなり画期的ではないかと思います。クラッシックにそこまで時間をかけてくれるようになったのか、と少々嬉しくも思いました。でも、次回はぜひシューマンを取り上げてほしいものですね。
2011.1.18
鳥取は随分と雪が積もっていると聞きました。如何お過ごしでしょうか。
年末には・・・様との再会、そしてドイツリートを中心に様々な興味深いお話を聞けましたこと、とても嬉しく幸いでした。
また、自家製の肉厚な干し柿も頂きありがとうございました。本当においしく頂きました。
本年も、どうぞ宜しくお願いいたします。
さて早速ですが、コンサートの日程についてお聞きしたいことがあります。
日時をこちらから希望させていただいてよいとのお言葉に甘えまして、7月23日(土)というのは如何でございましょうか。
内容は、もちろんドイツリートです。
詳しい曲はこれから決めますが、およその軸はたてており、テーマを「自然と愛」にしぼって有名な曲からそうでない曲、それにまつわるエピソード、作曲家同士の影響が見られる曲、などなどをまとめていけたらと思っています。まずは、お客様にドイツリートの様々な性格を楽しんで、知っていただけたらと願っています。
ちなみに、作曲者はモーツァルト、シューベルト、シューマン、できれば数曲ヴォルフ、ブラームスを入れたいと思います。ただ、方向性が散らばらないようにする為、欲張り過ぎないように注意いたしますが。。
歌い手さんは、鳥取出身バリトンの吉田章一(あきかず)さんにお願いします。吉田さんはレパートリーもお持ち、ドイツ語とその詩に関してとても研究されている方です。

2011.1.19
先日お手紙、CD 有難うございました。
早速聴きました。ピアノがジェフリーパーソンズのブラームスを持っていますが、
バレンボイム盤を聴いてしまうと何か物足らなさを覚えてしまいました。
ただ、パーソンズ盤には作品91-1、2のヴィオラが加わっているのが面白い
です。
それにしてもバレンボイム盤は伴奏を超えたデュオと云ったところでしょうか。
さて7月のことです。
7/23はOKです。念のためその前後の予定をよろしかったら教えてください。
夏が待ち遠しくなってきました。
インフルにかかる方がボチボチいるようですが、
僕は大丈夫です。
西山さんも寒いドイツの冬を乗り切ってください。

2011.1.20
早々にCDをお聴き頂きありがとうございました。
谷口さんの仰るとおり、バレンボイムは「バレンボイム」の演奏で続行しています。
つまり、相手が誰であろうと彼は彼のままを貫いている。。と思います。
私は、以前そこが嫌いでした。ダウラでもお話しましたが、あるソナタでのCDではヴァイオリンと一つにならず「彼」が出てきすぎてデュオになっていない、とも思ったものでした。
デュオもトリオも全ての室内楽において、それぞれの個人があってそれが音になる時は一つにならないといけません。どんなに各々の演奏が素晴らしくても、それでは平行線です。
オーケストラでもそうです。良いオーケストラは何が違うか。それはあの大きな団体が音楽で「一つ」になっているところです。
また、リート伴奏はジェフリー・パーソンズ(大好きです)やジェラルド・ムーアの様に詩の背景や裏の意味を奏でる役割と、何より大事な「歌い手を支える」役割があるべきだ、と強く思います。
ですから、正直、バレンボイムはその観点から考えると違う箇所に位置するのではないかな、と思います。
しかし、それがバレンボイムなのだと思います。彼はそれを納得させます。好きか嫌いかは別として、です。
そして、今私はそれを拒否するのではなく聴き方や捉えかたが違う一つとして受け入れ尊敬もし、またどのように音楽や詩に詰まっている内容や意味を引き出すのか、ぜひ聴きたい、とさえ思えるようになりました。
どちらが好きか、となるともうこれは本当に個人の「好み」になりますね。
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by tomiot3 | 2011-01-22 21:45 | 音楽よもやま | Trackback(2) | Comments(0)

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