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映画アーカイブス 二十四の瞳

木下恵介監督、高峯秀子主演、1954年
国民的に愛された映画の筆頭では無かろうか。

この映画を鑑賞したのは高校生の時だったか?
高峯秀子扮する大石先生が小豆島の分校に新任教師として赴任するところから始まる。
時代は昭和三年に始まり終戦に至るまでの、12人の島の子どもたちと教師の
心温まる交流の記録である。

当時は島の子どもたちも貧しくて学校に行けなくなる子、
戦争へと突き進む中で疲弊した日本は経済的にも行き詰まって、
貧しさを享受しなければならない時代へと突き進む。
こうした状況下で築かれる教師と生徒の絆、
貧しくとも心豊かな時代であった。
終戦を迎え再び分校の教職に就いた大石先生は、成人した教え子7人に
自転車をプレゼントされる。
男子生徒は6人のうち5人も戦地から還らぬ人となっていた。

とにかく小学唱歌がこれでもかこれでもかと歌われ、背景に流れ、
屋外で子どもたちと歌って遊んでいる?シーンがやたら出てくる。
金比羅さん修学旅行の船上で旅館の娘の歌う「浜辺の歌」、
歌の上手い彼女は音楽学校を希望するが叶えられない。
終戦後その旅館を継いでいた。
その旅館で再任した大石先生の歓迎会が行われ、
そこで月丘夢二扮する女将の歌う「浜辺の歌」が幾度目かの涙の場面になる。

大石先生はその子どもたちが6年生を終えると、
激しさを増す戦争と軍国主義教育を嫌って教師を辞める。
いわゆる直接説明無き反戦映画である。

何度も観た映画である。
この度は最先端技術を駆使した、
いわゆるデジタル・リマスター版である。
劣化進行するフィルの最良の物を選んで、
リマスターされただけ有って、雨降りもなく、
コントラストなども良く調整されて、手間暇かけた効果十分だった。
ただし音声もリマスターされただろうが、少々聞き取りにくいきらいがあった。

by tomiot3 | 2011-04-07 21:00 | 文化・芸術 | Trackback | Comments(0)