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映画アーカイブス ぽっぽや(鉄道員)&トウキョウソナタ

ぽっぽや1999年
降旗康男監督
高倉健、大竹しのぶ、広末涼子、小林稔侍、奈良岡朋子

北海道の廃線を目前に控えたローカル線、
幌舞線の終着駅幌舞駅の高倉健扮する駅長の鉄道マン一筋の物語。
登場するSLはC11とD51498、
砂丘こどもの国のSLはD51303、かなり若い。
今は現役を退いたであろうキハも登場する。
背景の音楽は坂本龍一、チェロが多用され、
さびしさ侘びしさの中に温もりのある音色がピッタリだ。
幼くして失った娘が、成長三段階に分けて現れてくる。
亡霊とでも言おうか、天国から迎えに来ているとでも言おうか。
最後の女学生姿が広末涼子である。
彼女が現れて消えて、最後のラッセル車の到着を迎えて・・・。
いきなり葬列の場面となる。
何とももの悲しい結末だった。
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トウキョウソナタ2008年 
黒沢清監督
香川照之、小泉今日子、小柳友、井之脇海、井川遥、役所広司

アーカイブと言うよりも、ごく近年の作品。
一見平和そうで実は夫婦と息子二人はバラバラで心のつながりに欠けている家族。
父親は失職を隠し、良妻賢母振りをしているが、
大学生の長男は傭兵として米国軍隊に、
次男の小学生は親に内緒でピアノを習っている。
そんな家族に強盗が入るが、その役がなんと役所広司。
けったいな強盗だ。
ごたごたした家族だが、
最終場面は次男が○○音大の検定試験を受ける場面、
両親が立ち合う。
他の子どもの演奏に夫婦は“うまいね”
その次がいよいよ息子の登場。
たしかドビュッシーの「月の光」を弾き出す。
1音目から一斉に審査員、その他立ち会い者が注目する。
その見事な演奏に、審査員はペンを置いて聴き入るようになる。
両親もうっすら涙を浮かべ、感動の面持ち。
演奏が終わる。何やら署名する。
そして両親も出てきて終了のサインだろうか。
会場を出て行く、その間一挙手一投足、全ての人々が一斉にその方向を見やる。
一切の台詞無し、ピアノ以外はパントマイムの世界だ。
つまり少年が将来、ピアニストになり得る予感を観る者に与える。

以上二つの映画で強く感じたのは、
音楽と映画は密接にアンサンブルしていると言うことだった。

by tomiot3 | 2011-04-17 21:35 | 文化・芸術 | Trackback | Comments(0)