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日本の技術力 新幹線

子どもの頃、つまり戦中のこと、大阪まで弾丸列車を走らせる計画を聞いていた。
当時は恐らく機関車方式を考えていたのではなかろうか。
線路の工事も一部始めていたそうだ。
その計画路線がほとんどそのまま新幹線に引き継がれたと聞いた。

dだら新幹線の技術は戦前からの積み上げ、戦後東京オリンピックまでに走らた。
それは東海道新幹線が開業した1964年のことだった。
その技術の積み重ねは一朝一夕のものでないことは明々白々。

他国では,フランスが1989年にTGV,ドイツでは1991年ICEが開業した。
日本の新幹線は動力分散式でいわゆる電車であるが、
フランス、ドイツは両端動力車式で(いわゆる機関車)基本的に走行方法が異なっている。
ただし、ドイツは動力分散方式を採用しつつあるようだ。

ちなみに中国高速鉄道はドイツからの技術移転で開業し、
その後日本の技術を導入した。おいしいとこ取り。

又台湾高速鉄道はドイツICEの導入となっていたが、
1998年ドイツICEはエシェデ駅近くで鉄道事故を起こしたのが原因か、
急遽日本新幹線方式導入となった。

韓国KTXはフランスTGV方式だから、両端機関車式。
電動機の冷却装置故障でトンネル内で停止した事故があるそうだ。
これは装置のレベルと整備とダイヤの運用技術の稚拙さを顕した。

ドイツの事故の場合は車輪が金属疲労(外輪)で破断して大事故となった。
だがその後はさすがドイツ、徹底分析と対策を講じた。
その結果、車輪は日本の住金(住友金属)を採用とした。

この車輪技術は、恐らく世界一、むしろ追従できない技術レベルだ。
韓国、中国の高速鉄道も住金の車輪がなかったら走れないだろう。

又レールも然り、日本の新幹線は現在60キロレール(1メートル当たりの重量)
そして200m以上のロングレール、だから短い周期で余りゴトゴトと聞こえない。
新幹線は更なる乗り心地と高速安定を目指して、
80キロレールに取り替え中という。
この80キロを製造出来るのは、世界広しといえども日本の
新日鉄と、JFEFだけだ。
アメリカ・アムトラックの超大編成(長さ4~5キロ)の貨物列車運行を可能にしたのは
日本の80キロレール在ってのことだ。

新幹線は動力分散式でいわゆる電車。
回生制動(減速時を発電エネルギーとして回生、他の列車への電力となる)を行っている。
だから機械式ブレーキ(ディスクブレーキ)への負担を軽減することが出来る。
韓国では,最近ようやくディスクを自国生産できたと言っていた。
ただし、日本も「さくら」のブレーキ装置はドイツ社が一部供給しているそうだ。
中国、韓国高速鉄道は回生制動など考えていないのかも知れない。
機関車方式では難しいだろう。

高速鉄道はあらゆる技術の集大成。
車体、パンタグラフ、その摺板、電動機、台車、車輪、制御装置、レール、道床、
保線技術、整備技術、そして要の運行技術などだ。

ところが中国や韓国では、これらのどこかが欠けているから、
新幹線50年の歴史になかったような事故が短期間に起きている。

若し島々の問題で中韓とおかしくなれば、
両国の高速鉄道がやがて走れなく日がやってくる。

わが国が心しなければいけないのは、技術を盗まれたり、模倣されたりと
いとも簡単にやられないことだ。
例えば日立は中国への警戒を怠った。
その後その技術は独自開発したとうそぶかれ、
アメリカなどへの売り込みをされたりしている。
厚顔なのは工場までアメリカに建設すると申した。
これが中国の首脳の発言だったから驚きだ。

こう考察してみると、日本万歳で在るがあながちそうではない。
技術を磨くことに投資を惜しんではいけない。
と言うことは技術者を軽んじてはいけない。
ありとあらゆる事に他の追従を許さぬ努力は一層求められている。

先日、智頭線と新幹線に乗ったが、
智頭急行は因美線を走り、智頭急行専用線を走り、山陽本線のレールの上を走るのだが、
因美線は25mの短レールでゴトゴト、何年か前に高速化改良でレールサイズを大きくしたのだが、
どうやら50キロでなく40キロではないかと思う乗り心地、
山陽本線に入ると50キロレールのロングだから、途端に走行安定性が違う。
そして新幹線は60キロのロングだから、静かで揺れが少ない。

おそらく順次80キロに代わっていくだろうから、その差はもっと開くだろう。

by tomiot3 | 2012-10-01 22:50 | 多論好論 | Trackback | Comments(0)