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今年も松が枯れた

松と言えば、陸前高田の一本松がすぐに浮かぶ。
未曾有の津波でおよそ7万本の防潮林としての松が持ち去られた。
そして奇跡的に一本が残った。奇跡の一本松である。

鳥取砂丘の松は防風防砂林としてそのほとんどは戦後に植栽された松だろう。
その松達が近年は枯れが目立つようになり、昨年の猛暑では多くの松が枯れた。
今年も昨年に同じく猛暑に見舞われた。
猛暑ばかりでなく、害虫による松枯れと複合されたのだろうか。
広範囲の松枯れが目立っている。

枯れた松ほど景観を害するものは無い。
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松は潮風に強く、育てやすさから海岸地帯の植栽に選ばれることが多い。
だが松主体の植栽には疑問を持っている。
ここ数年の観察した感想として、防風防砂の目的以上に松が増えすぎたようだ。

松枯れは、ひょっとしたら自然の淘汰かも知れないと思うくらいだが、
ここ二年の枯れ方は異常とも言える。

砂丘の景観は広々とした雄大さが持ち味だとすると、
松の植生をコントロールする必要の時期になったのではないだろうか。

景観上、松などがなければ素晴らしい眺望が得られるポイントが幾つも在る。
また椎や樫も結構潮風に強そうなので、混植にすればと思ったりする。
松が先ず根づき、ある程度育った段階で椎や樫を混植するという方法を考えた。

暴風防砂の目的だったら、
せいぜい10~20メートル幅の植林帶で目的を果たすのではないだろうか。
現在の鳥取砂丘の様に面的に植栽する必要はないと思っている。
大幅な伐木で景観回復を図って欲しい。
だから松枯れ現象は、その為の警告かも知れない。

高田の防潮松原も混植だったら、
あの様な状態を少しでも和らげることが出来たと思っている。
松などの針葉樹は根が浅くて簡単にもぎ取られてしまう。

例えば全くの混植にするか、
第一波を松でくい止め、第二波を常緑樹林帯でくい止める。

その様な防潮林は和歌山に例があった。
「稲むらの火」として有名な濱口儀兵衛(梧陵)さんが、
1854年の安政元年、安政地震津波の復旧に尽力し、
避難路を兼ねた防潮林を築造した。

その防潮林が混植だったような気がする。

by tomiot3 | 2012-10-25 21:37 | 自然・環境・緑・災害 | Trackback | Comments(0)