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日本の曲がり角

衆議院議員選挙は自民党圧勝。
これは数の上で間違いなく、選挙に慣れた自民党の手練手管によるものだ。
原発を争点から外して、原発維持と推進の下心を鎧の下に隠した。
これに国民はまんまとひかかった。

従前とは代わった自民党と言ったキャッチコピーも受けた。
ところが何も変わっていないことを国民の多くは見抜けなかった。

大型公共投資と言った触れ込みも地元誘導方の小選挙区に受けた。
一向に景気回復しない経済情勢下で受けた。
大型公共投資を実行すればどうなるかを知っているはずの国民も
しびれを切らしている時期にこの言葉に誘引された。

一番の味方は、小選挙区制だろう。
民主党はばたばたと討ち死にしたが、自民党は多党化の助けを借りながら
一人勝ちした選挙区が全国を制した。
この制度はわが国の地元利益誘導型民意からすると
スケールが小さく地元にお金を持ってくると言いさえすれば、
或いは国の大方針を隠していても楽勝する制度である。

反面比例区では自民党の得票数は前回2009年に較べて増えるどころか、
減っている。
             2009年    2012年        
 自民党      1880万票   1660万票
 民主党      2984万票    966万票
 維新                 1220万票
この数字で様々なことが推定できる。
自民党は決して圧勝では無いと言える。

原発、憲法、公共投資など自民党が政策を遂行するには、
国民の反発を覚悟しなければならない。
ましてや、公明党との調整も困難な面が予想される。
維新が協力すると言っているのだが。

早くも原発に関しては、経済界、電力業界は再稼働への希望を抱いている。
間もなく福島の悲劇はかき消され、
いつかは第二の福島が生まれる素地を温存することになる。
恐らくこの時に日本は最大の悲劇を迎えることになるだろう。
例え大事故が無くとも大量の使用済み燃料の処理はどうなるんだ。

原発は核兵器をつくることにつながる。だから周辺諸国への抑止力になる。
とのたまわった地元出身の幹事長が居ることを恥ずかしく思う。
自民党の推進した原発は平和利用では無かったと言うことを暴露した。
鳥取県民(一区)の人々の民度を見た思いがする。

自民党を勝たせた人々に問う。
憲法を改正して国防軍をつくり、集団的自衛権を発揮して、
戦争をやらかし、子や孫や夫や親を再び戦争の惨禍に去らせたいのですか。
原発の福島の人々の苦しみ悲しみ、村や町が無くなる苦難を同じように
味わいたいのですか。 
そんなことはありゃーせんと言いたいのですか。

来年の参議院員選挙まではまだ爪を全部出さない政策を採るだろうが、
その後は自民党のワンサイド、つまり民主党の国会運を批判していたが
むしろ強行採決ご本家の実力を行使するだろう。
若しそれが困難な場合は、総裁は再び持病の災禍を受けるかも知れない。

自民党憲法改正草案では、
この様な勝手な国民の発言は許さないとなるだろう。

民主党は良いことづくめのマニフェストなど止めて、
もっと根の深い検討をしなければ捲土重来は無い。
自民半世紀の長期政権が他党の成長の芽を摘んでいた。
その弊害をもろに受けたのがあなたの党である。
経験不足、実力不足、研究不足とあらゆる言葉が当てはまる。
それには有能な人材確保、そして地方県連の立て直しを本気でやらねばならない。
端で見ていると人材不足が見えてくる。
例え三年間の政権であってもこの経験は大きい。
失敗の数々を分析検証して一段一段ステップアップして欲しいものだ。
多党化は良くない。ゆえに頑張れ!

by tomiot3 | 2012-12-18 21:00 | 多論好論 | Trackback | Comments(0)