ねんねは音楽で
このところの就寝と目覚めの友は、もっぱら耳からの音である。
永年使ってきたブラウン管テレビがいかれたことが契機になった。
寝付かれない時って往往にして有るものだが、CDをかけていると知らぬ間に眠っている。
そして朝はバロック音楽で目が覚める。
先日の小山実稚恵さんコンサートからは、シューベルトの即興曲が流れる。
勿論大音量ではなく、ソットヴォーチェに近い音量だ。
小山さんばかりでなく、内田光子にも替え、そしてイングリッド・へブラーと日替わりになってきた。
三人三様、曲は一緒でもまるで別人のように音楽が変わるから面白い。
どの盤も組み合わせは作品90と142。
内田光子の録音は1995年ウイーンムジークフェラインとなっている。
ピアノはベーゼンドルファー。
かたやイングリッド・へブラー1963年5月とある。なんと52年前、
ピアノはベーゼンドルファーに間違いないと思うが。
リスナーからするとキチンと録音データを記載して欲しい。
内田光子1948年、小山実稚恵1959年、イングリッド・へブラーに至っては1926年生まれ。
私が1938年だから、ほぼ10歳間隔で並んでいる。
年代がどうってこうのはどうでも良いことのようだが、
時代背景の変化やら録音技術の変革は録音世界にはものすごく影響が大きい。
演奏者にとっても時代の移り変わりは影響している。
へブラー 若い 37歳か
内田のそれはピアノがベーゼンと云う事も有り、実にダイナミックな演奏で
アゴーギグ(テンポやリズムを意図的に変化させること)を駆使し、ディナーミク(強弱法)も大きい。
だから小さな音量で聴いているから、ピアニッシモになると聞こえなくなるくらい。
これでは寝付きが悪くなると心配したが、大丈夫だった。
対して、小山実稚恵さんのそれは、抑制が効いていて内田さんに較べると実に慎ましやかで上品である。
どちらかと言えば、小山さんの方が就寝には良い。
先日倉吉への往き帰りは、内田光子盤だった。
ある程度音量を上げる。車が軽快に走った。
イングリッド・ヘブラーは今や89歳、
とっとり楽友協会コンサートの皮切りが彼女だった。
当時は1994年(平成6年)だから68歳だったんだ。
大きな体、足を引きづりながらピアノまでの距離が長かった。
しかし、ひとたび演奏に入れば入魂だった。
その様子に接して、勝手にもうじき引退ではないのかと要らぬ想像をした。
なんのなんの、未だ現役のようだ。びっくりぽん。
演奏曲はモーツァルト/ソナタ変ロ長調k・570 ソナタイ長調k・331「トルコ行進曲付き」
それにシューベルト/即興曲作品90だった。
ポスター第一号 吉田茅穂子画使用
とにかく気持ちよくなる。
今夜はどれにしようか、いずれ舘野泉、ブレンデルに移行も。
時には他のものにも、シンフォニーという訳にもいかない。
やっぱりバロックかな。バロックならば管弦楽曲でも良い。
最近はパッヘルベル、ヘンデルそしてバッハかな。
赤津さんのオーケストラ・ファン・ヴァセナール生収録もよい。
by tomiot3 | 2015-11-17 21:27 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)