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パーヴォのマーラー《復活》

日曜日の夜はNHKクラシック音楽館。12月6日(日)
<N響 第1817回 定期公演

先の9月、N響首席指揮者就任のパーヴォ・ヤルヴィ就任記念演奏会。

交響曲第2番ハ短調「復活」(マーラー)

管弦楽:NHK交響楽団
ソプラノ:エリン・ウォール
アルト:リリ・パーシキヴィ
合 唱:東京音楽大学
指 揮:パーヴォ・ヤルヴィ

マーラーのシンフォニー特有のディナーミクスのデッカさ、消え入るようなPPP~FFFまで。
編成も大きい。ホルンは6本とかハープは2台、と言うことはいかなN響でもそれだけの団員を抱えていないだろう。
第五楽章、合唱とソプラノソロがソットヴォーチェで始まるところ、ほとんど聞こえない、
ことにわが家のちっこいテレビでは尚更聞こえない。
 よみがえる よみがえるのだ
オケ、合唱にしても緊張の極みだろう。
ベートーヴェンの第九第四楽章、歓喜のテーマが始まる低音弦の出だし、
大抵のオケは聞こえるが、ウイーンフィルの場合ほとんど聞こえないくらいではじめる。
これだけで言ってはいけないが、オケの魚と思ったことがある。
最近のN響もその様な演奏を聴くようになった。
今日の演奏などはその類いではなかったのではなかろうか。
幾度かディナーミクの上昇下降を繰り返してコーダのトゥッティに至っては怒濤のように終わった。
音の悪い我がテレビでそうで有る。

報道時間の残り30分間は

<パーヴォ×日本人アーティスト 白熱音楽トーク(1)指揮の哲学>

音楽家、演出家、デザイナー、果てはパティシエなど、
ジャンルを問わず活躍する日本の若者と音楽を語り合いたい 
これはパーヴォの希望から実現した特別企画。
多様な視点をぶつけ合うトークだった。
リハーサルの進め方、指揮者の表現方法、伝統と革新など、
パーヴォが指揮の哲学を語った。
この中で注目した言葉があった。
「直感」 
パーヴォはがっちりと構築された形式よりも直感を重視したいと言った。
そこで想い浮かべたことがある。
先日のオーケストラ・ファンヴァセナールの演奏だった。
ヴァイオリンの赤津さんと天野さんデュオを取り出してみると、まさに直感のぶつかり合いだったのではないか。
勿論事前練習によって組み立てられている。
だがいざ演奏となればその場の感興、発想などが即興演奏に近い物を醸していると感じていた。
これがあの白熱の演奏につながったと。
改めて赤津一座の素晴らしさを思った。

この度のマーラーは、二人して集中力切らさずにボロテレビで鑑賞した。
次回も日本の若者とパーヴォのトークⅡが有るようだ。


by tomiot3 | 2015-12-07 14:25 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)