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樗谿グランドアパートを観る

鳥取市指定文化財 樗谿グランドアパートの一般公開に馳せた。
10時からの公開に、行った時は既にかなりの人々が参集していた。
昭和5年完成の建物で、当初医院として建築されたが、医師の死亡で他に転用されたという。
その後、昭和21年、つまり終戦後、占領軍に接収された時点で増築された部分が向かって右側の建物。
本建築部分は和洋折衷様式として建てられ、仁風閣に次いで建築年代が古い。
占領軍(進駐軍)による増築、改装も行われたが、最小限の改造が成されているという。

さーて、しばらく待機した後、小グループごとでの見学会。
先ずの印象は
①損傷老朽化が進んでいる。
②建築材としては、それほど拘っている様子がない。
③階段の欄干などに頭領の腕の見せ所が散見される。
④管理状態が良好でなかった。従って老朽化が進んでいる。
⑤部屋の規模も小ぶりである。
アンケートに 今後どの様に活用されるがよいか の設問があった。
これは今後の補修、改修にかかっている。
鳥取市がどの程度の覚悟であるか、どの程度の資金を投入できるか。
全く分からない中では、答えようのない設問であったが、
ある程度投入資金を回収する道は考えるべきで有ろうし、
今日のところは、レストラン或いはカフェ、又は民泊、シェアハウスにするが良いと答えた。
先にも申した様に、集会とか展示には手狭すぎると思う。
つまり中途半端になる。
民放の「百年名家」のファンなので、散々名建築を見てきた中では、いささか見劣りが著しい。
こうしてみると鳥取市には名建築が無いのだと感じるばかり。

今後の民間の寄付なども有り得るだろうが、相当の資金を投入しないとまともにはならないだろう。
岡崎邸のように惨めになってはいけない。
           向かって右の部分がS21年進駐軍による増築部分
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ベランダの外に見える建物は、全く別景色様相の増築された部分で在るが、
これは先ず撤去すべきだと思う。
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戦後間もなくの、進駐軍で想い出す。
先ず小学校(まだ国民学校だった?)にジープで乗り付けてきた。
これは強い衝撃的な出来事だった。
戦中は鬼畜米兵とののしり、戦後は一変して、日本中が進駐軍としてもてはやした。
「パパママ ピカドンでハングリー」などと流行言葉、チュウインガム、チョコレートを期待した。
だが学校の校長、先生方は緊張しただろう。
黒塗り教科書のチェックにでも来たのだろうか。
当初の米軍は早期に引き揚げて、イギリス統治だったインド軍の駐留に代わったと、今日も説明があった。
そうか、鳥取に出てくると、頭にターバンを巻いて、短いステッキをぐるぐる回しながら、
街を闊歩する印度兵をよく見かけた。
こう言う視点からは、歴史的意味合いのある建物なんだろう。
従って、将来公開され、利用される時は、そうした歴史的資料展示も必要だろう。


by tomiot3 | 2016-04-23 20:58 | よもやま・つれづれ | Trackback | Comments(0)