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ムーティー氏 平和への希求

思い起こすと、スペイン内乱の時のチェリスト/パブロ・カザルスの対フランコ独裁政権への抗い、彼はフランコが居る限りスペインに還らないと宣言、還ることは叶わず、フランスはプラードで平和活動家、大チェリストとして世界中の人に愛され、1971年10月24日(国連の日)、ニューヨーク国連本部て演奏、国連平和賞を授与される。
その時、アンコールで演奏されたのが、鳥の歌、今では世界中のチェリストのアンコールピースになっている。
カザルス氏が演奏前に語った。
カタロニアの鳥がピースピースと啼いてい その模様が映像化されて、LDを持っていたが、ただ今行方不明中。
先の大戦におけるナチスドイツのユダヤ迫害に抗議し、行動した多くの音楽家が走馬燈のように想起される。
一方、ワグナーがヒトラーに利用されるなどの側面を持ちがらも、音楽そのものは輝きを失うことはなかった。
かの大指揮者フルトヴェングラーはドイツに留まる道を選択したが、決してヒトラーに同調を許さず、
多くのユダヤ人音楽家の国外脱出に手を貸し、自らも身の危険を察して亡命を直前にしていた。
かたやトスカニーニは、徹底的にナチスを非難し、ナチスに協力したと見なしたフルトヴェングラーを終生非難し続けたのも平和を愛すればこそであった。
D・バレンボイム氏のイスラエルとパレスチナ双方への平和結合への呼びかけと行動も記憶に深く、
日本人音楽家もそうした活動をおこし、起こしている人を沢山知っている。
またソ連圧政下のショスタコーヴィチ氏の抗い、巨匠チェリスト、ロストロポーヴィチ氏の反圧政への抗いと
仲間の救出、その一人がチェリスト/ミッシャ・マイスキーである。
枚挙に暇ないが、ムーティ氏曰く、「最大の武器は音楽」が深く心にしみ込む。

R・ムーティ氏はウイーン・フィル来日公演を聴いている。
そしてなんと言っても1997年ニューイヤーコンサートを
かのウイーン楽友協会ゴルトナーザールで聴いたことだ。心の宝物!
そのムーティ氏の語る平和への行動と願いに共感する。

世界的指揮者 リッカルド・ムーティ氏語る (写真、文/毎日新聞)
イタリアを代表する指揮者、リッカルド・ムーティ氏(74)が毎日新聞のインタビューに応じ「テロは文化を持たない無知から来る」と指摘し「日伊両国は文化の古い伝統を持つ。文化、特に音楽が(テロとの戦いの)最も重要な武器だ」と訴えた。ムーティ氏は3日にイタリア北部ラベンナで日伊国交樹立150周年の記念コンサートを開催。
会場ではバングラデシュで起きた人質テロ事件の犠牲者を追悼して黙とうがささげられた。

 ムーティ氏はインタビューで「あらゆる種類の暴力、テロは、深い文化を持っていないという意味での無知に由来する。真の文化は調和、美、精神の気高き表現であり、高尚さと平安を損なうものとは相いれないのだ」と強調した。

 ムーティ氏は1997年、内戦からの復興途上にあるボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボでコンサートを開催。以来、世界各地の紛争地や被災地を訪ね「音楽を通じた友愛の懸け橋作り」を目指す「友情の道」事業に取り組む。今回の日伊両国の若手奏者による公演もその一環だ。

 ムーティ氏は「芸術の中でも音楽には人々を結びつけ宗教、文化、伝統、人種、言葉の壁を乗り越える大きな可能性がある。音楽は分断を超えるものだからだ」と語った。

 日伊の絆を確認する今回のコンサートの2日前、ダッカで両国民が巻き込まれる人質テロ事件が起きた。「文化によって問題をただちに解決することはできない。だが、文化は長期的には武器になる。社会をより気高い水準に引き上げることができるからだ」

 ムーティ氏が若手の育成に心血を注ぐのは「若者こそ未来」という思いがあるためだ。「(文化という)根を切れば、木は死んでしまう。若者は歴史的なアイデンティティーを自覚する必要がある。それによって、未来に前進することができるのだ」と言う。

 最後に「夢は何か」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。「私は戦中の41年の生まれだが、戦後は戦争のない時代を生きてきた。けれども今、世界で平穏な場所を探すのが難しくなっており、孫たちの将来が心配だ。夢は平和な世界を作ることだ」


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by tomiot3 | 2016-07-09 09:24 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)