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知られざるピアニスト シュ・シャオメイ

先日の日曜日深夜に録りだめしておいたプレミアムシアター、
その内容は
知られざるピアニスト シュ・シャオメイの音楽と素顔(2016年 ドイツ)
◇シュ・シャオメイ ピアノ・リサイタル in北京
◇コンスタンチン・リフシッツ ピアノ・リサイタル
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シュ・シャオメイ(左はプロフィール 要クリック)中国人ピアニスト、私の場合本当に記憶にないピアニストだった。
本人の年齢は不詳だが、1951年北京生まれ(66歳)ではないかと、
中国に吹き荒れた文化大革命、1966~1976年の10年間、
文化人、知識人はやり玉に挙げられ、10代前半の彼女も内モンゴルの労働キャンプに
5年間送られる。
この間も密かにピノの練習を重ねていたという。
その後、北京の音楽院を終え、1980年米国に一旦渡りパリへ。
そして、中国への度重なる機関コンサートの要請に、躊躇し熟慮の結果、
35年ぶりに実現した帰還リサイタルだ。

番組の前半は、シュ・シャオネイの半生のドキュメンタリー、
そして2014年の北京コンサートホールでのリサイタルの模様。
フランスでは、このような事を尋ねられた。
“中国人なのにどうしてバッハが理解できるのか”
答えて“世界最高の音楽は、民族を越えて理解できる”と言う意味のことを語っていた。
また中国での会場選びも大ホールは選らぼうとしなかった。
バッハの演奏には、テクニックをひけらかして大音響ではやらないという意味だろうか。
北京のコンサートホールは1,040席、それでも大きいと思うが、
映像で観る限りでは、ステージと客席は近かった。
コンサートホールは中国国歌大劇院の中のひとつで、4つの劇場・ホールがそれぞれ目的に応じて設けられ、
設計はランス人建築家ポール・アンドリュー。
2007年のこけら落としガラコンサートには小澤征爾氏が招かれて居る。

シュ・シャオメイ ピアノ・リサイタル
アリアに始まり30の変奏ののちアリアで終わるゴールドベルク変奏曲。
冒頭 ランラン ララランララ ラララーン
この曲と言えば先ずグレン・グールドという伝説的な演奏がある。
しかし、シュ・シャオメイのそれは、出だしから何か違う。
ドキュメントの中で、孔孟の精神などが影響しているかという質問に、
笑いながら、演奏解釈にそのようなものが出てくることはない。
しかし、心の奥底に民族の歴史がそれとなく影響することはある。と 

ここで
フリーライターの盛岡葉(要クリック)さんのブログを読んで頂きたい。
以下の文章はそのブログからの引用である。
最もよくシュ・シャオメイノコを言い当てているので拝借した。
私たち中国の多くのピアニストは、目先の功利を求めることを急ぎ、富を得ることに奔走している。
また、一部の人たちは、一年中演奏会でスケジュールをいっぱいにしているが、果たしてどれだけのピアニストが、中国における演奏芸術の普及、発展という道筋を考えているのだろうか。
ピアニストの使命は、一生をかけて音楽を愛し、追求し、感受性を大切にして、音楽を広め、神の声を聴衆に伝えることだと、私は信じている。
人に抜きん出ることや金儲けをすることを目的にしては、音楽の純潔や真心を守ることはできない。
音楽家としての高みを極めたピアニスト、シュ・シャオメイ(朱暁玫)は、中国のピアニストの鏡であり、目標だ 

知られざる まことにそうだった。
録りだめを一日遅れで深夜にとうとう全部観てしまった。
リフシッツモスコ滲みたので、すっかり夜明けが近くなってしまった。
今日は極度の寝不足の一日を過ごす。

強烈な印象だった。
もう一つの特長は、中国動向のフランス人ジャーナリストも語っていたが、
フランスでは聴衆は高齢者が圧倒的だが、中国では若者がほとんどで、その中に年配者が混じっているという風だった。
北京の場合、100席少々、だが超満員、熱狂的、CDサイン会は大変な状況だった。
完璧なテクニックを持ち合わせた上での、宇宙的とも言える音楽への向き合い、
祈りとも採れる演奏の姿勢と音。
ライプツィッヒの聖トーマス教会を訪れて、花束を捧げひざまずくシュ・ショオメイは神々しくもあった。
ドイツでも受け入れられた。
ふと思った。
日本の若者の演奏家は数多居るが、どの様な心の持ちようで音楽と演奏に向き合って
いるのだろうかと。
よく解釈とは言うが、その中で何を取得しているのだろうか。
そして普段の生活態度は如何様だろうかと、くるくる頭の中を駆けめぐった。

リサイタルはかって日本でも行われたようだが、全く知らなかった。



by tomiot3 | 2016-07-12 12:59 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)