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能「羽衣」とイタリアの教会音楽

毎日曜日のクラシック音楽館 だが最終週は「古典芸能への招待」
いつもならほぼ他チャンネルに代わる
だが今日は違った 「羽衣」に吸い寄せられた
羽衣ならば天女と猟師の話は誰でも知っている
それでも能の羽衣を観た人、知っている人はそう多くないだろう

2011年2月末、たまたま三保の松原に立ち寄り、羽衣を掛けたという伝説の松、
そして三保の松原の海辺と気高く聳える富士の高峯が瞼に焼き付けている
松原と富士の高嶺 この下りが能の中にも登場する

人間国宝友枝昭世が厳島神社の“海の舞台”に舞う能だった
それと半能・高砂
後半は紀州徳川家の“石橋”を観ることができた

羽衣 松の枝にかかった羽衣を持ち帰ろうとする猟師、返して欲しいと切々と懇願する天女
ならばと天女の舞を所望する猟師、受ける天女
舞を終え静かに、なごりを込めて天に舞う天女 見送る猟師
厳島の水面に投影する柔らかな光の揺らめきがこれまた幻想を演出していた
言いようもなく切なく、静かな感動を覚えた

そして明けて今日の早朝
今度は「古楽の楽しみ」
今週は16世紀のイタリアの教会音楽
オルガンと合唱の柔らかな響き
昨夜の能との共通性って有るだろうか
間違いなく一致するのは、静謐のなかの奥深さでは無いだろうか
無理矢理共通性を結びつけることなどできないかも知れない
だが、そこはかとなくも 静かな静かな感動のエネルギーが我が心を支配している



by tomiot3 | 2017-01-30 20:26 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)