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野口健 著 自然と国家と人間と を読んで

先月のアルピニスト野口健氏の講演会で予約した同書が
昨日届いた。
手にとって先ず読んでしまったのが
第四章、未だ帰国できない日本兵の遺骨
だった。

あの大戦での海外戦没者は240万人
未帰還の遺骨は115万柱
もろもろの事情が有って、収容可能な遺骨が59万柱
今のペースでは800年先になると言う。
所管は厚生労働省だが、民間団体との
連携も悪く、どう見ても逃げ腰であって、
早くケリをつけてたい風に見えてしようがない。
 
作戦大失敗のレイテ島だけでも8万柱が眠っているという。
二十歳前後の若者達は、何を信じて死んでいったのだろうか。
圧倒的な敵と戦って死んだ者、戦わずして死んだ者、
さぞ無念であったろう。

特攻は空、海、陸、あらゆるところで
繰り広げられた。

この章の集結部に
沖縄特攻戦艦大和の乗組員であった
青年将校、臼淵磐大尉が残したメッセージが載せられている。
“シンポのない者は決して勝たない。
負けて目ざめることが最上の道だ。
日本は進歩ということを軽んじ過ぎた。
私的な潔癖や道義にこだわって、本当の進歩を
忘れていた。敗れて目覚める、それ以外にどうして
日本が救われるのか、今日目覚めずしていつ救われるのか。
俺たちはその先導になるのだ、日本の新生にさきがけて散る。
まさに本望じゃないか”

彼は海の藻屑となって、還らぬ人となった。

今の政府自民党にそっくりそのまま当てはまるではないか。

この書の構成
第一章 登り続けた山道
第二章 自然と、人と
第三章 ゴミを拾うだけでは解決しない
第四章 いまだ帰国できない日本兵の遺骨
第五章 温暖化におびえる人びと
第六章 残された時間は多くない

日経プレミアシリーズ 035
「自然と国家と人間と」
著者 野口健
発行所 日本経済新聞社
定価 本体850円+税  

by tomiot3 | 2009-03-01 21:00 | 書籍・雑誌 | Trackback | Comments(0)