緑の日
街に緑を
今日はずっと観察してきた街路樹考といこうか。
電線地中化はゆっくりとではあるが、着実に進行している。
個人的には、方法だとか優先順について異論があるが
このことはまたいずれ。
地中化で格段にすっきりした街路、空が蜘蛛巣状からの解放だ。
確かに良くなった。だが納得できないのは、何故街路樹まで無くなるのか。
国土交通省の別部門では都市緑化が叫ばれながら、
この有様は一体どうしたんだろう。
無機的なアッケラカンの道路ができあがった。
ここの代表格が、国道53号線、秋里交差点から丸山交差点まで。
さらに県庁方向に向かって工事は続いている。
県道?線でも同じような現象が起こっている。
片原中電変電所から鹿野街道交差点まで工事が完了した。
工事前はトウカエデが植栽されていたが、
大部分は復帰されることがなかった。どうして?
地中工作物との関連?もしそうだとしたら工法が間違っている。
その他の理由?
その延長、市役所交差点から元大工町を経て、樗谿入り口までが最近地中化された。
途中の経過で、ここは街路樹が植栽されることは分かっていた。
問題は樹種である。日本本来のケヤキかサクラがよいと考えていた。
ところがハナミズキだった。ガックリ。ハナミズキはアメリカの木、
美しい花ではあるが、余りにも安易な選定だ。枝の張りも悪いし、
木陰を作るのが苦手だ。
いつかも述べたが、都市緑化の目的として、ひとつはヒートアイランド防止、
木陰の提供、CO2吸収力など重要なのだ。
一体何を考えているの。
技術者が悪いのか、付近の住民が駄目なのか。
私以外の人も、なんだありゃ と憤慨していた。
今鳥取市の主な街路樹の状況を概報しよう
樗谿入り口~市役所前 ハナミズキ
市役所前~鹿野街道交差点 トウカエがデまばら
鹿野街道交差点~(中国電力支店) トウカエデ (地中化未施工)
元大工町~江崎町交差点 トウカエデ
元大工町~NHK前 クスノキ
西品治交差点~青葉町交差点 ケヤキ
西品治交差点~南向き ハナミズキ この交差点を挟んで北向きのケヤキ並木との差、歴然。
秋里交差点~浜坂入り口交差点 トウカエデ
国道53号裁判所~お堀端 ハナミズキ
以上でお分かりのように、トウカエデが何故か多い。
ナハミズキとトウカエデが出しゃばっている。いずれも外来種で、
街路樹としても効果は薄い。見栄えもそれほどでない。
ハナミズキはサクラに較べるとインパクトが断然劣り、
民族の誇りがまるで起こらない。
低廉、活着容易、業者の都合、以外に選定者の無知などが有るのか。
もう一つ在来種の保護育成という視点も欠かしてはいけない。
例えば桜並木にすれば、将来の名所にもなり得る。
これも大切な都市活性化のひとつだ。
残念で堪らない。巨額の投資が生きてこない。
資産として生きるも死ぬも・・・。
私の街路樹ランキング
①ケヤキ 枝張りもよく、充分な緑陰を提供し、いかにも街路樹といったところ、
さらに鳥取のように降雪地帯には冬は落葉で日差しを提供する。
②サクラ なんと言っても日本人の心を代表する。
緑陰も充分で冬は落葉。春は爛漫の花盛り。
手入れが必要なので雇用も必要。
③銀杏
④楠 常緑樹であるが、場所によってはよくマッチする。
さらに減少してしまった照葉樹の保護にもつながる。
⑤梨 鳥取県を代表する果樹、街路樹向きに品種改良して
街路樹の効果を発揮しながら、梨のPRに役立てる。
長野県飯田市ではリンゴ並木が名をはせている。
収穫は中学生が行っていると聞いた。実利を兼ねているのだ。
これぐらいにしておこう。
要は街路樹や都市緑化に対する哲学の欠如である。
この点我が国と地方の行政は三流に思える。
街路樹ばかりでなく道路構造もそうである。
時代の要請を敏感に感じていない。研究が足りない。
ヨーロッパの道づくり街づくりをもっと知って貰いたい。
今地球は環境改善、温暖化防止へと急旋回しているのですぞ。
街路は車中心ではなく、LRT、自転車道、歩道それぞれが市民権を得ている。
景観的にも緑或いは森の中に都市が存在している風だ。
以前ウィーン行きのときに感じたことだが、環境意識と実際の施策は
とっくに環境にシフトされていた。多くの都市が賑わいを取り戻した。
車中心では決して都市再生は出来ない。人中心の街づくりなのだ。
我が国は未だ途上国だ。情けない。
行政レベル、市民レベル共に未成熟と言わざるを得ない。
公務員の給与はレベルを維持するべきと思うが、
もっと実のある仕事をしないと
いずれ市民県民から支持されなくなるだろう。
美しい街づくりもこうした点を度外視しては有り得ないと言うのが私の主張だ。
未来に向かった街づくりのために、無駄なことはしたくない。
二度も三度も土建業に奉仕してはいけないんだ。
技術者がもっとしっかりしないといけませんよ。
スクラップアンドビルドが我が国を疲弊させる。
単なる土木立国ではないんだ。意識改革せにゃ成らぬ。
今日もきつい言葉ですなー。あーあ
by tomiot3 | 2009-05-04 21:47 | 街と村づくり | Trackback | Comments(1)