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終戦記念日

世間では終戦と言うが、僕は完敗した戦争なので敗戦記念日と思っている。
天皇皇后ご臨席の戦没者追悼式典の中継を観ながら
12時の時報と同時に1分間の黙祷。

65年前国民学校二年の7歳だった。
この日は既に戦災で東京を焼け出され家族全員が田舎に疎開を完了していた。
この日大人の話で重大放送があることが分かっていた。
だがそれがポツダム宣言を受託して、
戦争を終結するなど誰も予想できなかっただろう。
神国日本は負けない、神風が吹く、一億総玉砕などと信じて止まなかったのだ。

戦争が終わったんだって、何かこれで普通の生活の戻れるとの安堵感が
自然に流れたように覚えている。

戦争のお陰で一切のものを焼かれて無一物になり、父親は疎開したまま
持病のぜんそくで苦しみ、職を失って仕舞った。
弾丸債権は価値が無になり、預金も通貨切り下げで無に等しくなった我が家は
貧乏のどん底に喘ぐことになった。

満蒙開拓団青少年義勇軍のドキュメントで強烈な印象を思いだした。
昭和19年の一年生の時、もちろん疎開先の国中国民学校、
講堂と言っていた実は体育館、ここでは毎朝朝礼が行われていた。
有る朝礼の時、米岡村の石川という高学年或いは高等科の先輩が
義勇軍に入隊するための壮行会が行われた。
小学1年の幼少にも拘わらず強烈に覚えているのは何故だろう。
今日のような放送を目にする度にその石川少年を思い出す。
義勇軍には教師が推薦したという。
そして多くの少年たちは14,5歳で敗戦を迎え
満州に置き去りにされた悲劇悲惨はもっともっと語られなければならない。

現政府は閣僚全員が靖国参拝はしない。これは当然だろう。
僕自身は靖国神社は無謀で非人道的戦争遂行の立役者だと思っている。
自民党党首や幹部は揃って参拝したようだ。この感覚が信じられない。
安倍元首相はNHKのインタビューに答えていた。
彼は心身症で首相の座を途中で投げ出したので、
とっくに国会議員は辞めていたと思っていたら、まだ醜態をさらしていることに驚いた。
NHKもNHKだ。なぜ政府の非参拝に対する反対意見ばかり
報ずるのだろう。大いに疑念がある。
それに較べTBS系のサンデーモーニングの報道姿勢に中庸の利があった。

しみじみ思う、千島列島からインドネシアに至るまで未だ返らぬ
遺骨が眠っているのだ。
戦没者の御霊と言うが、100万近いその将兵たちの霊はどうなっているのだ。
悲惨な最期を迎えたその魂はまだ彷徨っているに違いない。

年を重ねるごとに戦争をおっぱじめた連中を裁かなかった
日本国民の無頓着無責任にだんだん憤りを覚える。
いつの世も空威張りの連中がいざという時に卑怯千万な行動を取る。
これは現代でも同じことだ。

by tomiot3 | 2010-08-15 21:57 | 平和 | Trackback | Comments(0)