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天才か

バイオリニスト神尾真由子
ハイビジョン特集/強く、強く・バイオリニスト・神尾真由子・21歳
2007年にチャイコフスキー国際コンクールで優勝し、その受賞後、
留学先のジュネーブから一時帰国した神尾に密着した長時間インタビュー番組だった。

まだ幼少の頃から神尾の名は届いていた。大阪出身、先輩の五嶋みどり・龍姉弟も大阪出身、
神尾より少し年配の庄司紗矢香は東京出身だが、ひょこひょこっと関西からも傑出した
才能が開花する。

番組ではインタビューアーが画面に現れることなく、次々と質問を投げかける。
これに対する当時21歳の神尾の受け答えが興味深かった。
コンクール時などの演奏風景も挿入されるのだが、
もう少し聴きたいというところでお終いになる。

使用している楽器は1727製のストラディバリュウス、
かってヨーゼフ・ヨアヒムが所有・使用していた楽器でサントリー(株)から貸与されている。

神尾は楽器の音ではなく、音はヴァイオリニスト自体の音だと言い切った。
インタビューアーのぶしつけとも思われる質問にも、しばし黙考の後
ぼそぼそと自分の考えを述べる、そしてそのひと言ひと言は何か重みを感じる。
決して媚びたりとか虚栄の世界は皆無なのだ。

両親や祖母も登場するが、これまたよく見られるママゴン的でないのである。
番組の終わりは留学先のチューリッヒに帰る空港場面、両親の見送りがなかったようだった。
ホームシックは無い、むしろ日本よりも外国の方が落ち着くとも言った。
日本では色々うるさいからであろうか。

帰国時、ジョギングする姿が映った。体力が大切、確か2時間は走ると言っていた。
小学校の同級生と遊ぶ場面、何とカラオケなのである。
他のヴァイオリンやクラシックの演奏はステージオフでは一切聴かないという。
さらに憧れや目標とするヴァイオリニストは無いという。自分自身だけだと言い切った。
すごいな-!全く感心してしまう。

N響と演奏する場面があったが、一番前のお兄さんがノリノリで体を揺すったり
指揮をしたりするの目に入ったそうだ。ちゃんと見ているのだ。
話は違うが、以前鳥取で或るピアニストに指摘された。
前列の子どもが足をぶらぶらするのが気になる。それ以来前列には子どもは
なるべく遠慮をして頂くようにしている。

番組の最後、神尾真由子ってどういう人?
「変な人?」と問い返す。悪戯っぽく、屈託無く笑う神尾真由子が素敵だった。

スイスのチューリッヒ音楽院では樫本大進なども指導を受けたザハール・ブロン教授に
ついている。

チィコフスキーのヴァイオリン協奏曲では何楽章だったかな。
オリジナル版とオイストラフ版が有って、チャイコフスキーコンクールで
ブロン教授はオイストラフ版を引くように指示したのだが、
神尾はあえて難しいオリジナル版を弾いた。
ブロン教授はお冠で、つまり衝突してしまった。
神尾は頑固で個性的で時には教授ともぶつかるようだ。

もっともっと面白い場面が有ったが今日はこの辺りで。

ただ今24歳、一度生で聴いて見なきゃ。

by tomiot3 | 2010-12-16 21:58 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)