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鳥取市響コンサートを聴く

午前中チラシはさみ作業を終えて、そのまま紅茶専門店ダウラなどで時間潰しをして、
午後2時のコンサートへ。

市民会館1,2階使用だから700席以上で大方は埋まったよう。
よく集客したね。

隣は知人、そのほか友人知人が何名か確認できた。
ステージも市民会館はオーケストラだと手狭な感じ、客席もいっぱい。
コンサート雰囲気のお膳立ては出来た。

ニュルンベルクのマイスタージンガー第Ⅰ幕への前奏曲で始まる。
この曲はオーケストラコンサートの幕開けで演奏される度合い高い。
米子公会堂がオープンした時だっただろうか、N響コンサートがあった。
指揮はウイルヘルム・ロイブナー、この時もこの曲で幕開けだった。
半世紀以上も前のことだがよく覚えている。

きょうのオケはアマチュアだから、と言う前提で聞いてしまう。
むしろあれこれ言う前にこのことはよく承知しておかないと誤解を招く。
市響定期は第35回と言うから、大したもの。
団員の確保に随分苦労された時期もあっただろう。
だから正直言って、音がまともに聞こえない時期もあった。
昔むかし文化ホールでベートーヴェンのピアノと管弦楽のための合唱幻想曲をやったことがある。
オケの後ろに陣取った合唱団は、まともな音を出してくれと祈った。
一番ちゃんとしていたのがピアノだった。
様々な言うに言われぬ苦節を乗り越えて、今や大オーケストラを組めるようになり、
今日のように市民の沢山な方々が聴いてくださる。
団員達も感慨ひとしおであっただろう。

横道にそれたが、マイスター出だしのトゥッティはまずまずの響き、オケらしい。
パートが裸になるとちょっと不安がよぎる。
指揮者の高野秀峰氏のテンポ感が揺るぎないので音楽が沈まない。
アマチュアオケとしてはまずまずかな。

さて、上萬雅洋composition交響曲第一番
解説も至極簡単で、逆に分かりにくい。作曲の経緯なども記されていない。
またちょっと脱線するが、プログラムが余りにもシンプルすぎる。
団の概ねの履歴なども省略されている。
そしてこの曲の作曲経緯だとか、各楽章のライナーノートがもっと記されても良いのではと思った。
日本海新聞に掲載された記事を参考にされたい。
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第Ⅰ楽章の冒頭にユニゾンで第一主題が奏される。
これが全曲を通じたモチーフになることがだんだん分かってくる。
その後の第2,第3,第4楽章にも形を変えながら現れてくる。
いわゆる循環形式と言う奴だ。
第Ⅰ楽章を聴いていて、変奏形式ではないかとも思った。
頭の中がごちゃごちゃになってしまった。
主題以外の主題が現れたようでも有り、そうでないようでも有る。

古典形式だと第2楽章は緩徐楽章の場合が多いが、きょうのそれはそうでなくて、
緩徐楽章アダージョ的は第3楽章になっている。
ここに上萬氏の意図が有るのだろうか。
第4楽章も主題の片鱗が現れ、昂揚する部分や潮が引くような部分が現れ変化がある。

指揮者は曲全体をよく把握されたようで、そつの無い指揮ぶりにオケも追従している。
やはり各楽器が外れることもあるが、これは仕方のないこと。
オーケストラ的響きは充分確保されている。

ユニゾンやトゥッティの時に、音量が上がった時、
やはり濁りが生じるのはやむを得ないか。
各団員一人ひとりの責任だから、
今後の課題は如何に透明感の響きを保つかではないだろうか。

さてこの曲は今回が初演となる訳だが、今後再演される機会が有るかどうか、見守りたい。

ブライチ(ブラームス 交響曲第一番)もアマチュア、それも鳥取の顔としてのオーケストラとして、
よくぞ演奏された。
この曲はホルンの活躍が目立つが、少しのことを除けば好演ではなかったか。

アンコールはブラームスの「大学祝典序曲」だったっけ。

今や鳥取市の顔になりつつあるオーケストラとして、今後の発展を祈るばかりだ。
市民達の支持もきっと上がったに違いない。
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by tomiot3 | 2013-10-13 21:09 | コンサート | Trackback | Comments(1)

Commented at 2013-10-14 12:27 x
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