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ゴーストライター現る

交響曲Hiroshimaの佐村河内守氏のゴーストライター新垣隆(にいがきたかし)氏が
昨日記者会見を行った。

18年間に亘って20曲以上ゴーストになりきる心情や如何に。
佐村河内について“耳が聞こえないと感じず”と言う下りが不可解だ。
本人は2級の障害者手帳を持っているという。(1,2級は重度)
これも本当はどうなのかと。キチンと検査しないと単なるしんだでは分からないそうだ。
今朝の毎日新聞だけは一面トップに扱った。
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他社報道
朝日
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日本海
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山陰中央
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さて皆さんはどの様に考えられるでしょう。
私はこの様に考えを巡らした。
そもそもゴーストなどとは全く思っていなかった。
ただ音楽教育を受けていない佐村河内氏が構想しオーケストレーションまで、
しかも楽器編成が多彩で豪華、この様な総譜を書き上げるにはそれなりの能力が無くては。
と言うことは佐村河内氏が余程の天才だと言うこと、
それにしても大変な作業を伴うので、
おそらくシンセとパソコンを駆使して作曲されただろうと想像していた。
オーケストレーションを書くと言うことは、メロディーラインが書けても別の能力を必要とする。
或る著名な作曲家がピアノ版総譜の曲をオーケストラでして見たいですね。と問いかけたら。
それは出来ないよ。とたちどころに断られた事が有る。

NHKテレビで全曲を聴き、CDも購入した。
なるほど壮大でブルックナー並の重たく長大な曲であることは納得した。
なにせ80分に及ぶ大交響曲だった。
だがCDを試聴したが、とても80分間は我慢できなかった。
遂につまみ聴きをしただけでお蔵入りになってしまった。
現代のベートーヴェンだとか、越えたなどと言う世評に反発すら感じた。
広島で初演した指揮者大友直人は高く評価され、
東京圏でも幾度か演奏され、ソールドアウトコンサートとなっていた。
それだけ皆さんも感動し、或いは無批判に受け入れていた訳だ。
NHKを初めとしたマスコミ界により多くの人々は疑うこと無く酔いしれ事は何を示すか。

今になってみると代作者、自らゴーストライターと行っている新垣氏の作曲能力に驚く。
フィギアの高橋大輔氏が用いる「ヴァイオリンのためのソナチネ」も勿論代作。
高橋氏は今となって曲を変える訳には行かないだろう。
気持ちを切り替えて曲だけに集中して欲しい。

広島市民賞の取り消しだとか、様々な波紋が今後広がるかも知れない。
だが音楽愛好家として望むのは、佐村河内氏と新垣氏については、
音楽愛好家を裏切った罪は重い、ことにクラシック畑でこのような事が惹起したことは非常に残念至極。
だがこれ以上波紋が広がらないように切に望む。

むしろマスコミ界の検証できない能力を恨み、マスコミ界の物語により踊らされた我々の浅はかさと罪深さ。
他のことでもそうだが、耳が聞こえないに・・・ベートーヴェンうんぬん、凄い!
実際演奏会で涙を流す人が多く居た。何故の涙だったのか。
今一度冷静に考えてみたい。

現役作曲家の諸氏が述べているように曲そのものは批判されていない。
音楽は人々に勇気を与え、歓びや悲しみを分かつためのビタミン。
この役割に何等変わりは無いはずだ。

もう一つ、代作者の新垣隆氏、これ程の能力があるにも拘わらず世に出ることが叶わず、
代作者として物語性の助けによって世に出た皮肉さ。
なぜかこの世の不条理を思わずには居られない。

by tomiot3 | 2014-02-07 20:40 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)