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歴史に学びたい

「ローマ皇帝の歩んだ道」を観ながら、歴史は繰り返す。そして歴史に学べない。
と言う思いがひしと感じられた。
第14代ローマ皇帝ハドリヤヌス(117~138)は先代のトラヤヌス帝(98~117)が築き、
拡張したローマ帝国を在位中のほとんどを属州旅行に費やした。
西はイギリス・スコットランドから東はトルコまで。
この間、膨張したローマ帝国の行く末を案じた。
膨張、拡大による経費の増大と統治力の低下をおそれ、
スコットランドにはこれ以上の北は放棄するとして、延々と城壁のような石積みを築き、
更には先帝が獲得したドウナ川の北のルーマニアはローマ帝国の衰退を招くとし、これを放棄しようとした。
ところが拡張による栄華に浸っていた元老院と元老院に洗脳された民衆の反撃で実現出来なかった。
晩年は、あたかも拡張への反省を込めた様に、そこで全てが事足りるコンパクトな邸宅で、
ひっそりと余生を送ったという。
何か、ごく身近なところでは今の日本の姿、
郊外へ郊外へと膨張した都市と中心部の衰退を地で行っている事は似て非なるものであるが、
間接的にではあるが警鐘のように思える。
現にコンパクトシティが叫ばれてから久しいが、一向にその気配が感じられない。
聞こえるのは中心市街地活性化だけで有る。

日本の場合も拡張しようとして失敗の歴史を重ねてきた。
秀吉の朝鮮出兵、明治維新後の富国強兵から第二次世界大戦に至る完全なる失敗。
これらを思うと、人はなぜ歴史に学べないのかというごく当たり前のことに苛立ちを覚える。
ある学者が言っていた。日本が拡張すれば失敗する。

現安倍政権の方針はまさに拡張政策の何物でもない。
集団的自衛権を盾に世界を駆けめぐり、各国への資金援助で日本の立場と影響力を強めようとする。
積極平和主義の危うさが顕著に現れたのが、今回のISILによる二名の日本人の拘束だ。
それは、わが国の危機管理の稚拙さと情報処理能力の低さを露呈させた。
情けないことに国のトップとあろう者が、こうした感覚に猛烈に欠如していたという事実。
今日も国会での民主党の追求に声を荒げて人道支援だと息巻いた。
果たして人道支援なのだろうか。と言う疑問は払拭出来ない。
ましてや相手にはいくら息巻いても通じることなど全く無い。

憲法学者小林節氏述べる「第三文明」の自覚
これはわが国の採るべきスタンスであろうと思う。
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by tomiot3 | 2015-01-27 20:08 | よもやま・つれづれ | Trackback | Comments(0)