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アフガンに平安を

11と言えば3.11も有るが、2011年の9.11の記憶が衰えることは無い。
ちょうどテレビを観ているとき、実況中継の形で二機目がツインタワーのもう一つに突っ込んだ。
スローモーション的だった。
この事件をきっかけに米国社会は長所と弱点を世界に晒したように思う。
ブッシュ大統領は直ちに報復に打って出、表向きの戦争的には勝利したように見えたが、
おっとどっこい、テロリストを拡散させ、育ててしまった。
それが今に続いている。
また当時わが国の小泉政権は、米国を素早く支持し、兵站への全面協力する形を取った。
これは明らかな参戦で有る。
しかし、結果的には平和を遠のかせ、混迷を深め、今日に至っている。
いかな戦争も莫大な戦費を費やし、それがもたらすものは蟻地獄の破壊と人命喪失、貧困であった。
一方、戦争によって利を蒙る者も居る。
先日、ペシャワール会医療サービスーの院長中村哲氏、白衣を脱いでアフガンにおける
潅漑による緑の大地と農業復活の取り組み奮闘記を見た。
草木1本も無かった荒涼とした砂漠が住民とのたゆまぬ協力によって、緑の大地に変わって行く。
緑の麦畑、なびく稲穂、難民化した住民が帰ってくる。
貧しさ故のタリバンの傭兵になった者、はたまた政府軍にでかり出された者。
もう2度と戦争はしたくないと口々に言う。
何年もの歳月をかけ、ある程度の資金をかけて現地人のリードと指導、本来、
門外漢の土木工事の構想、監督までして汗を惜しまない中村医師。
こうした最中にも、制圧に向かう米軍の双発のヘリや単発の攻撃ヘリが上空を飛ぶ。
攻撃ヘリに機銃掃射を受けたこともあるそうだ。
ここまでしても荒涼の砂漠と化した広大なアフガンの2%ほどだという。
還ってきた人々は60万人。
米国は莫大な戦費の一部でもこうした平和攻勢に回したら、むしろ局面が大きく変わるのでは無いか。
中村医師の次の目標はアフガン人自らが潅漑、農地化できる人材を育てる学校をつくると語っていた。
日本政府もテロ勢力を押さえるためにと息巻いているが、この様に地道、また反面危険を冒してまでも貢献している
日本人の居ることに学び、積極的な援助をすべきだ。

関連
中村哲の著書 『医者、用水路を拓く―アフガンの大地から世界の虚構に挑む』石風社 2007年。
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by tomiot3 | 2016-09-11 21:29 | よもやま・つれづれ | Trackback | Comments(0)