第九聴き聴き三昧
第九 今日のLP3枚 年代順に
エリザベート・ブラッスール合唱団
ウイルマ・リップ ソプラノ
丸が・ヘフケン アルト
マーレイ・ディッキー テノール
ゴットロープ・フリック バス
1958年録音 Salle Wagram
ロバート・ショウ指揮 クリーヴランド合唱団
アデーレ・アディソン ソプラノ
ジェーン・ホブソン メゾ・ソプラノ
リチャード・ルイス テノール
ドナルド・ベル バリトン
1961年録音
ウイーン国立歌劇場合唱団
ジェシー・ノーマン ソプラノ
ブリギッテ・ファスベンダー アルト
プラシド・ドミンゴ テノール
ヴァルター・ベリー バリトン
1980年録音 ウイーン・ムジークフェライン ベーム最後の録音
ベーム追悼盤
カールベームは1981年8月14日ザルツブルク郊外自宅で死去 86歳
聴いたのは4楽章だけ、この第九で好きな楽章はと聞かれると、
即座にとは言いがたいが、第三楽章アダージョ・モルト・エ・カンタービレである。
この楽章は最後に次の楽章の O freunde、nicht diese toneと第一主題の断片で繋がる。
いずれの盤を聴いても、それぞれの感動が伝わってくる。
聴けば聞くほど、これ程までに違う個性が現れるのが興味深く聴ける。
シューリヒト盤はテンポは中庸で、金管の扱いに特長があったようだ。
合唱とソリストもオーソドックスかな。
セル盤は全体を通じて模範演奏を聴いているようだった。
テンポ感はキチッとしていて、一糸乱れぬオーケストラのアンサンブル。
それでいて音楽の中身がすごい。
ベーム盤は全体にゆったりのテンポで進む。
豪華歌手陣に加えて、オケ、合唱の豪華な組み合わせでベーム最後の魂が込められている。
フルトヴェングラー盤のように際立つアッチェレランドも無く、全体をたっぷり歌いきるスタイル。
オーケストラの密度も濃く音の美しさを聞き取れる。
またソリスト陣がすごい。
ジェシーノーマンなんてほかの録音でもすごさが並では無い。
ファスベンダーとドミンゴは生で聴いているが、
ファスベンダーは確かウイーン国立の「こうもり」でオルロフフスキーを歌っていたように記憶している。(要確認)そしていずみホールにおけるリサイタルでやはりパチッとしたオルロフスキー侯爵を聴いた。
録音にも寄るが、この盤に関しては独唱人がオーケストラに勝っている、或いは負けていないようにも聞こえてしまった。
625小節前のオーケストラ部分アダージョ・マ・ノン・トロッポ マ ディヴォート・・の演奏はフルトヴェングラー盤の神々しさ街地盤と思う。これを基準にして聴き比べている。
これはなかなか他の演奏では聴けない。
アバード指揮ウイーンフィル、サイモン・ラトル指揮ウイーンフィルの来日公演を聴いているが、
この部分に関しては、同じようなスタイルで聴くことが出来ない。
それもそうだと納得。
シューリヒトとセルなどは半世紀以前の演奏と録音、それでも輝きを失わないでいる演奏とディスクに感謝。
ジョージ・セルは1960年5月頃にかけて万博記念で来日しているが、この時はパリ管を聴いたので、セル/クリーヴランドは聴き損ねた。
帰米して間もなく7月30日に多発性骨髄腫で急逝した。
その報に相当悔しがった。聴いとけばよかったと。
その後、セル盤をかなり貯め込んだ。
ハイドンのシンフォニー、新世界、ハーリヤノシュなどは未だに極めつけと思っている。
そうだ、数少ないウイーン・フィルとのベートーヴェン/エグモントの音楽、これは最高だ。
幾度聴いても新鮮だ。
カールベームに関しては、早い時期にウイーン・フィルと来日しているが、
一度もチケット入手には至らなかった。それだけ入手が困難だった。
東京ライヴの「田園」などをよく聴く。
by tomiot3 | 2016-12-13 20:37 | 音楽よもやま | Trackback | Comments(0)